牡鹿半島の先っぽの鮎川まで行き、乗車券もとい乗船券を買う。 午前7時30分の便に乗る予定だったので、窓口のおばさんに「ふたわたし」までと言った。 長渡と書いて「ふたわたし」と読む難読地名なので、間違ってないか不安だったが、なんとか乗船券をゲット。 乗船券は鮎川のところに穴が開いていて、長渡と20のところに丸がついている。 おそらく鮎川=長渡間で、20は乗船日の2月20日のことだろう。 |
窓口のおばさんは親切で、わざわざ乗る船まで案内してくれた。 15分前から乗船開始と言われていたが、7時15分になっても、改札口に人がいない。 おかしいなと思って周囲を見てみると、改札口をスルーして、そのまま乗っている。 ということで、同じように乗ってみることにした。 これは今回乗る船。みゅうという名前だそうだ。 |
人生初の船旅。出発である。奥に見えるのが今日目指す網地島の長渡だ。 写真は水滴がついて雨に濡れているようだが、実際は天気は晴れである。水滴は海の波しぶきがかかったのだろう。 電車やバスは前後左右にゆれるが、船はあまり前後左右には揺れず、上下に揺れる。激しいアップダウンの道をバスに乗って通過しているようだ。 かなりアップダウンは激しかったが、酔わなかった。 船の中で車内改札ならぬ船内改札があった。なるほど。改札業務は全て船の中でやるわけだ。 客はおじさんばかり。自分を入れて10人ほどだ。 航行中はどこぞのゲームのように、船室にいなければいけない。 船室はバスの中にそっくりだった。バスと違うのは、次表示の板や運賃箱が無いことだ。 座席は3人がけのロングシートが左右に5セットずつ。前の座席の後ろに新聞とかを入れる網と台がついていた。台は収納でき、磁石で前の座席にくっついている。 定員は73名のようだ。ちゃんと掲示されているところが丁寧だ。 |
20分ほどで最初の寄港地、網地(あじ)港に着く。 名前こそ網地だが、網地島の郵便局、駐在所、漁協(出張所は網地にある)などはここではなく、次の長渡にあるようだ。 写真を見て分かるように、自動車がある。船で自動車なども運べるのだ。 みゅう号は小さいので運べないから、おそらくもう1つのマーメイド号か貨物船か何かで運ぶのだろう。 網地には島の中学生(既に廃校)が描いた「あおいうみ じだいをこえて しぜんのままに」という文字と絵があった。 |
網地港から遠ざかっていく。 原付のターンと同じように、いったん少しバックして回転してから先に進む。 時刻表では別々の便になっているが、通しで乗れるようだ。同じように、網地始発鮎川行きの便も、長渡から乗れるようになっている。 |
正面に見えるのは田代島のようだ。猫で有名な島である。 田代島には県道が通ってないので、行く用はなさそうだ。 |
奇岩がたくさん見えてきたら長渡港だ。 長渡港で船を撮影してみた。人魚の絵が描かれている。さすが、漫画の町石巻だ。 この船は貨物輸送も兼ねているらしく、船が着くと人々が集まって、物資を運んでいくのが見られた。文字通り、みんなが集まる湊だ。 |
これが長渡港の待合室だ。トイレ完備なのがうれしい。 後で分かったことなのだが、鮎川、女川、網地島、出島の船乗り場には必ずトイレが着いていた。 トイレの無い駅も今日では存在するのに、これは貴重な価値である。 |
反対向いて長渡港を撮影。 天気が良くて気持ちがいい。 |
待合室の裏手の道路を少し進むとヘキサがあった。 網地まで5kmのようだ。 昭和61年設置。自分と同い年だ。 ここから宮城県道214号線網地島線の旅が始まる。続きへどうぞ。 |